「『建築依頼の業者』として選ばれる」は「競合に勝って工事契約をする」こと
建築主は建築業者側から提案・提供される様々なことを住まいづくりのプロセスに沿って業務ごとに比較していきます。比較する段階は概ね「1.設計業務、2.見積り業務、3.契約条件の業務」の各業務になります。
建築主は3段階ごとに業者を評価しても、途中で評価の悪い業者を競合から外すことはなく最後まで全競合業者と打合せを進めていくのが普通です。
建築主側にしてみれば最後まで比較しながら進めていくメリットを認識しているからでしょう。
そこで「どうすれば、自社を選んでもらえるか?」となります。
同じ設計図書なら「価格」「施工」「保証」と判断基準があるが、一般的な競合は「設計はA社」「価格はB社」「保証はC」と複雑になって建築主側として選択に迷いが出てきます。
このような場合には建築主に側に選択の仕方を教えることで、競合に勝てる場合もあります。
その方法は「ランチェスター理論」を応用します。
簡単に説明しますと、同じ「兵力」であれば「兵隊数」が多い方が勝つ。同じ「兵隊数」であれば「兵力」が強い方が勝つ。これがランチェスター法則です。
具体的に説明します。顧客に選択の優先順位を決めさせる。もし優先順位が「1.設計、2.価格、3.保証」となったとしましょう。
そしてCがどうしても契約したいと思ったなら、「1.設計、2.価格」で不利になっている状況なのでこの課題を解決すればいいわけです。
その時、C社は「A社と同じような設計で、B社より安い価格で建築できる」または「B社と同じ価格で、A社より良い設計ができる」と顧客に話すことで、顧客は選択しやすくなります。
もっと分かりやすい他の事例を挙げます。「A店のチャーハンがおいしいが、B店より高い」「B店のチャーハンは味が少し劣るが、A店より安い」。
このような状況時A店は「B店より価格は多少高いが、おいしさは負けない」というやり方では、顧客は迷ってしまいます。
正しい戦略は「当店のチャーハンの価格はB店と同じだが、おいしさは当店の方が上である」として「B店の価格に合わせる」ことです。
世の中には賢人の知恵や教えあるいは法則がたくさんあります。上手に活用すれば結構役に立ちます。 |